農作物に必要な成分といえば、まず上げられるのが窒素、
リン酸、カリウム。これは、肥料三要素と呼ばれていて作物が生育するのには欠かせないものだといいます。もちろんこれだけではなく、カルシウム、マグネシウムや微量要素なども必要なようですが。基本は三大要素。しかしいま、その三要素の一つである、
リン酸の原料となっている
リン鉱石の価格が上がり続けています。日本は、現在
リン鉱石を100%
輸入に頼っています。そのため、農業関係者が気をもんでいるといます。
リン酸は土の中などにも微量に含まれていますが、それだけでは作物の生産は維持できず、ほとんどの農家で肥料を使うそうです。
リン酸の最大の供給源は日本には存在しない
リン鉱石です。その最大の
輸入先、中国産の
輸入価格が上がり続けています。昨年1月の1トン当たり約9000円から1年で約1万3000円に、さらに今夏から再び値上がりしているというから無視できません。
日本は、元々アメリカから
輸入していたのですが、鉱脈の枯渇のため中国やヨルダン、モロッコなどへその
輸入先をかえました。しかし、ここに来て、中国でも資源保護の動きが出てきましたし、インドなどでも使用量が増え、世界的に
リン酸肥料の価格が上昇傾向にあるようです。さらに枯渇の危機もあるといいます。肥料メーカーで組織する日本肥料アンモニア協会(東京都)によると南太平洋の島々のリン資源は、70年代までにほぼ枯渇。現在、世界で採掘可能な
リン鉱石の埋蔵量は約500億トンで、最近の年間平均生産量は1億5000万トン前後。枯渇までの推定寿命は、約50〜300年と言われる。
同協会の成田義貞事務局長によると「リン資源が世界的にひっ迫したら、価格が急騰し、
食糧生産に大打撃となる」と危機感を強める。そう、石油ショックならぬ「
リンショック」もありえるというから、見過ごせないですよね。石油がなくても生きてはいけるけれども、作物がないとなると・・・。これは一大事かもしれません。
そもそも、肥料を化学肥料から有機肥料に替えれば良いのではと思ったのですが、それも簡単な話ではないようです。まず、有機肥料はその供給量が追いつかないこと。それに時間がかかるし、コストもかなり高くついてしまうというのが現状のようなのです。それでは、今使っているリンを再利用してはどうかということが考えられます。
現在、リンの大半は再利用されず、最終的に川や湖、海に行き着く。これを下水処理場や家畜飼育場の排水で回収するルートが考えられている。しかし課題はコスト面。回収技術の研究で知られる早稲田大理工学部の常田聡助教授(化学工業)は「技術は既にあるが、コストは
輸入価格の10倍前後。今のうちに、回収したリンを政府が買い上げて流通させる体制などを考えるべき」と早めの防衛策を提起している。
また、家庭から出る、生ごみコンポストや下水汚泥をもっと肥料として使うことも考得られるのではと思ったのですが、これもそう簡単な話では内容です。まず、技術的な面。人間が出しているゴミですから、肥料に使えそうなものばかりとは限りません。プラスチックやガラス、それから重金属などを含んでいます。これらを完全に除去することがまず必要だそうです。特に重金属の除去は、その金属ごとに処理を考えなくてはならないということから、かなり技術的に困難なようです。それからコストこれはどうしようもないのかもしれませんがやはりかなり高くつくことが考えられます。
どちらにしても、詳しい事情はさておいて、あたり前に行われている農業危機的な状況にさらされる日が来ることも考えると、国家レベルで対応して対応していかないとと思います。